パワーアップを兼ね備えたモデルも登場
クルマをチューニングするときに、エンジン系ではエアクリーナーとマフラー交換が定番メニュー。マフラー交換の目的は、排気効率の向上によるパワーアップ、リアビューのドレスアップ、サウンドチューン、軽量化といったところに集約される。一方で、音量規制は厳しくなっており、保安基準適合品で静粛性を求めるユーザーが増えているのも事実だ。
その上で社外品のマフラーはノーマル以上の動力性能も期待されているため、マフラーメーカーはなかなか苦労しているところ。最近では回転数や車速に応じてパイプ内に設けたバルブをモーターで開閉し、街中での静粛性、心地よい排気音、そしてパワーアップといった要素を兼ね備えたマフラーも登場。今後はこれらのシステムが主流になっていくと予想される。また、燃費改善を掲げるマフラーも(ガナドール製など)も出てきていて、注目されている。
その他のスペックや性能向上に関しても、一部のメーカーではホームページで各車種ごとに最高出力、最大トルク、音量、重量、中間加速など、ノーマルマフラーと比較したデータを公表。マフラーのパフォーマンスアップを確認するための指針となっている。
また、音質=サウンドについては個人の好みもあるだろうが、これもメーカーのホームページで動画で装着後のサウンドを試聴できる場合があるので、聞き比べてみることをオススメする。
もうひとつの楽しみであるドレスアップ効果は材料や形状の違い、1本出し、2本出し、4本出し、あるいはセンター出しなど、車種やエンジン形式によって選べるが広いのも社外マフラーの魅力。とくに材料の違いは、ルックスだけでなく、軽量化や耐久性、音質もかかわってくる。
ノーマルマフラーはスチール製が多いが、社外マフラーはステンレス製が主流でチタン製も存在する。ともに腐食しにくく、スチールよりも軽量。音質はステンレスはやや重めの音、チタンはやや軽めの音になる傾向がある(材質だけでなく厚みの違いも影響)。
またマフラーの軽量化は車重の軽量化にも繋がり、Z軸まわりの慣性重量が減らせるため、操縦性にも多少なりとも好影響を及ぼす。
こうしたメリットはスポーツモデルに限ったことではなく、近年はSUV用、ワゴン用、エコカー用など、ユーザーニーズに応えるマフラーが増加。マフラーでカスタマイズする楽しみは、むしろ以前より広がってきているといってもいいぐらいだ。
音量などを十二分に配慮したうえで、こだわりの1本を探してみてはどうだろうか。