ゲームから生まれたスーパーカー
イギリスの自動車イベント、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、“バーチャルの世界で生まれた”サーキット専用モデル「ソーラスGT」の実車がお披露目。さらにヒルクライムでは優勝を果たしています。
世界限定25台のサーキット専用モデル
2023年7月13日から16日までイギリスで開催された、伝統の自動車イベントである「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」。マクラーレンは“バーチャルの世界で生まれた”サーキット専用モデル「ソーラスGT」の実車をお披露目し、ヒルクライムのタイムド・シュートアウトで優勝を果たした。
ソーラスGTは世界中で人気のオンラインゲーム「グランツーリスモ SPORT」に登場する、マクラーレンのバーチャルコンセプトカーをもとに実車を開発。サーキット専用モデルとして、リアルの世界に25台限定で登場した特別なモデルだ。バーチャルコンセプトカーのスタイルを忠実に再現しつつも、マクラーレンのデザイン理念に則り、数値流体力学と風洞実験を駆使したエアロダイナミクスを実現している。
エンジンは10000rpmを超える最高回転数を誇る、サーキットに特化した5.2リッター V10を運転席後方に搭載した。車体中央にはスライド式キャノピーを用いた運転席を配置。運転席はオーナーの体型に合わせて型取りを行った特別仕立てで、ステアリングはディスプレイや基本的な操作スイッチを一体化したタイプを採用する。
運転席はスライド式キャノピーを開けて乗り込む所から特別感が味わえるシングルシートを採用。ドライビングポジションが車両中央なので左右対称に180°が見渡せる、F1スタイルのヘイロー型コクピット保護装置を備えた本格レーシング仕様となっている。
“バーチャルコンセプトカー”がグッドウッドを走る!
グッドウッドの初日に実車がお披露目されたソーラスGTだが、期間中は会場内のマクラーレン・ハウスで展示された。そして、最終日に開催された1.16マイル(約1.87km)のヒルクライムでは、マクラーレンのファクトリードライバーであるマービン・キルホファー氏のドライビングにより45秒342というタイムで優勝を果たしている。
ちなみに、このシュートアウトでのマクラーレンの優勝は、2021年に続き2度目となるということだ。また、日本でも4月に発表された、ラインアップの中心となる750Sもマクラーレン・ハウスで展示されていた。
なお、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは2023年で30周年を迎えた自動車イベント。リッチモンド公爵家の私有地内に設けられた、カントリーハウスを中心とした会場で行われている。ヒルクライムは(グッドウッド・サーキットではなく)カントリーハウス周辺の細い道路を1台ずつ走行しタイムを競い合うものだ。
マクラーレン・オートモーティブのマイケル・ライターズCEOは、次のように今回のグッドウッドを振り返った。
「フェスティバルの30周年と同時に開催された60周年記念式典では、マクラーレン・ハウスとヒルクライムでトリプル・クラウンのトリビュートが行われ、ソーラス GTと新型750Sが力強いデビューを飾りました。そのタイムド・シュートアウト・ファイナルでのソーラスGTの優勝は、マクラーレンにとって非常に意義深いものとなりました。この勝利は、素晴らしいチームによる弛まぬ努力の賜物です」