かつての「アメ車」のガタガタ感は皆無! 極上の乗り心地を実現
60年にもおよぶジープの大型SUVの伝統を継承した高級SUV「グランドチェロキー」は、現在ではプラグインハイブリッド機構も組み入れた最新世代に移行している。今回はそのあらましをおさらいするとともに、富士山麓のカントリーロードにおけるロードインプレッションをお届けすることにしよう。
5代目の中核モデルはプラグインハイブリッド機構を搭載
ジープ グランドチェロキーは、当時ジープの基幹を成し、日本でもリーズナブルな価格から爆発的な人気を博した小型SUV「チェロキー」の大型・高級版。あるいは、1960年代から30年近くにもわたって生産された、古き良きフルサイズSUV「グランドワゴニア」の実質的後継車として、1993年に初リリースされた。
初代から大きなヒットを得たグランドチェロキーは、そののち2~4代目を経て、2021年に第5世代の現行型WLシリーズがデビュー。昨2022年には、日本にも上陸を果たした。
新型グランドチェロキーはホイールベース2965mm、全長4900mm×全幅1980mm×全高1810mmのスタンダードモデルにくわえて、全長を+300mm、ホイールベースは+125mm延長した7人乗りモデル「グランドチェロキーL」も設定。ともに「卓越した悪路走破性と長距離ドライブも楽しめるラグジュアリー・グランドツアラー」とうたわれているようだ。
また、先代まではヘミ(半球形燃焼室)ヘッドを持つ古き良きV8エンジン搭載モデルも、カタログモデルないしは限定車として選択することもできた。だがこの5代目では、グランドチェロキーLに3.6L V6ユニットが搭載される以外は、直列4気筒2L+ターボと、それにプラグインハイブリッド機構を組み合わせた「4xe(フォー・バイ・イー)」が主軸となっている。
今回のテストドライブに供されたのは「グランドチェロキー リミテッド4xe」。このPHEVモデルは、272psのパワーと400Nmのトルクを発生する直列4気筒ターボエンジンに、スタータージェネレーター用モーターおよびEV走行や駆動アシスト、そして回生などを担当する高出力モーターからなる2基のモーターを装備。8速トルクコンバータ式ATと350Vバッテリーパックが組み合わされている。
最新鋭のPHEVシステムによって燃費を抑制するとともに、モーターのみで53kmの走行を実現したという。また、ブレーキペダルを踏むと電気モーターによる回生ブレーキが作動し、発生した電気はバッテリーパックへと蓄えられるほか、回生ブレーキの効果を最大化する機能も搭載。WLTCモード燃費は10.4km/Lを達成するとのことである。
くわえて、電気モーターとガソリンエンジンを走行状況やドライバーの志向性に応じて効率よく活用。必要なパワーを発生しながら、燃料消費を最小限に抑制するという。充電レベルが高い状態では電気モーターを積極的に活用し、電池残量が減るとエンジン主体のハイブリッド走行に切り替わる「HYBRID(ハイブリッド)」、モーター駆動の領域が最大限に拡大され、電気のみで最長53kmの走行を可能とした「ELECTRIC(エレクトリック)」、そしてエンジンを優先的に使用し、充電レベルを維持する「e-SAVE(イーセーブ)」からなる、3つの走行モードがセレクトできるとのことである。