発売開始が待ち遠しいLXの弟分
2023年末からグローバル市場で販売予定となる、レクサスの本格オフローダー「GX」のコンセプトモデルがアメリカでお披露目されました。「LX」と同じプラットフォームを用いたボディオンフレーム構造の新型は、「レクサスの本格オフローダーのど真ん中」として仕立てられています。
「レクサスの走り」を備えた本格オフローダー
トヨタはレクサスのプレミアムな本格オフローダー「GX」のプロトタイプを、アメリカ、テキサス州オースティンで初公開した。グローバルモデルとして、2023年末より世界の各地域に順次展開されるという。
ボディオンフレーム構造を採用したSUVであるGXは、先代が2002年から北米市場をメインに販売を開始。2023年3月末までに、世界で累計約54万台が販売された人気モデルだ。
新型は「ザ・プレミアム・オフローダー」をコンセプトに開発。レクサスのフラッグシップSUVであるLXと同じ新GA-Fプラットフォームの採用などにより、本格オフローダーでありながらレクサスらしい乗り味を実現する「レクサスの本格オフローダーのど真ん中」として誕生した。
衝突安全性能や静粛性、走行性能を向上させるという、トヨタ「ランドクルーザー」にも採用される新GA-Fプラットフォームには、3.5L V6ツインターボと、ボディオンフレーム構造のレクサスモデルに初搭載となる2.4L直4ターボハイブリッドシステムを用意する。足まわりにはフロントにハイマウントダブルウィッシュボーンを、リアには伝統のリジットサスペンションを備える。
また、パワーステアリングは従来の油圧式からモーターと減速機を用いた電動パワーステアリングに変更された。その走りは、オフロードでは電子制御でスタビライザーの効果を変化させるE-KDSSや滑りやすい路面で活躍するクロールコントロールなども採用し、さらに悪路走破性を向上。アクセルとブレーキの応答性を高めることで、悪路でのペダルコントロール性を向上させているという。
さらに、応答性や安定性を向上させる電子制御サスペンション(AVS)などの装備を加え、オンロードはオフローダーながらレクサスらしい走りに仕立てられている。ボディとフレームを繋ぐキャブマウント特性の最適化などで路面からの入力を低減、発泡材や吸遮音材の最適配置での静粛性向上などにより、長時間の移動での疲労も最小限に抑えているという。
プレミアム感も備えつつ、内外装も本格仕様
エクステリアはスクエアなシルエットでオフローダーらしさを高めた。プロテクターの形状とレクサスの象徴であるスピンドルボディを融合させたという力強いフロントマスクも特徴的だ。また、従来型よりアプローチアングルを5度立たせ、フロントオーバーハングを20mm短くするなど、悪路走破性を向上させるパッケージとしている。
「森の中にたたずむモダンで快適な別荘」をイメージしたというインテリア。もちろん、オフロードでドライバーが車両姿勢を感じられるように、インパネ上部を基準に水平・垂直基調のシンプルな構成に。センターディスプレイを低く配置することで、前方の視認性を高めた。また、レクサス初採用のセンターディスプレイに機能を集約しつつも、使用頻度の高い温度調整スイッチなどは物理スイッチのままとしている。
そして、新型には本格オフローダーに求められる機能やデザインを追求したOVERTRAILをラインナップした。標準モデルよりトレッドを20mm拡大。前後バンパーコーナー下端を切り上げることで悪路走破性はさらに向上し、別体のセンタープロテクションも装着する。また、ブラックのアーチモールなどで、よりタフさを強調したスタイルに仕立てられている。
国内への導入は未定とのことだが、ラグジュアリーなオフローダーが人気の昨今、フラッグシップSUVであるLXの弟分として人気を集めるのではないだろうか。